「素焼き」で窯を塞いでしまう前に一枚パチリ。
乾燥したうつわはまずこうやって素焼きという工程を行います。
窯の中ではこんなカンジで板と支柱で階層を作って積んであります。
ちなみにこの窯は登り窯ではありません、普通の灯油窯。
素焼きごときにゃ登り窯様が出るまでもないので(笑)
中のスペースは軽自動車の2/3くらいといったとこですか。
萩焼(というか陶器全般)はですね、本焼成の前に「素焼き」というものをします。
なぜかというといろいろ理由があるのですが、
一番の理由はこのあと「くすりかけ」といって釉薬をかけるからです。
(というかドブ浸けにして施釉するのです)
いわゆる「うわぐすり」といって表面のガラス質になるヤツです。
で、その釉薬は水に釉成分が混じった泥水状のものなんですが、
乾燥しただけのうつわをその泥水状に浸けると、水分を吸って崩れてしまうのです。
ただ乾燥させただけのうつわは、
単に粘土の粒子同士が引っかかりあって形を成しているだけなので弱く、
そこに水が加わると吸った水の分だけ急激に膨張するのでボロボロに崩れるのです。
そこで水を吸っても崩れないように素焼きをするのです。
素焼きをすると焼き締まりが起こり、粒子同士がしっかり結合するので
水を吸っても崩れなくなります。
焼成温度はおよそ700〜800℃で、焼きあがると土器のような状態になります。