ノコギリクワガタ
2005年 銅
50×40×75(cm)
[解説]
見たまんまクワガタです。(ノコギリクワガタ)
個人の方より依頼を受けて制作したもので、玄関エントランスにくっついています。
この方は埼玉県でプレス加工の会社を経営しておられ、会社ではDVD・テレビ・デジカメなどの外側ケースになるパーツをプレス・レーザー加工をしております。
同じ金属加工つながりということで、機械でできないカタチに興味を持たれて依頼いただきました。
少しマジメな話をすると、こういうカブトムシやクワガタといった造形は金属の板(板厚およそ1mm)を金鎚で叩いて造ってます。中は空洞です。
自然界の生き物をドローイングするときにはまず骨格を捉え、それに関節や筋肉がついて表面に皮膚があり・・という見方をして動きやカタチを捉えます。
ところでクワガタやカブトムシは節足動物でして、甲殻類のカニやエビなどとも近い仲間です。
節足動物というのは外骨格つまり外側の硬いのがいわゆる骨格なわけです。
ということは叩いて造っていく作業がそのまんま骨格を捉えていく作業になりますので、造った部分がそのまんまカタチ・質感につながります。
造形上の必然性が技法とマッチするので、面白みがあると言えます。
このクワガタも制作工程の記録画像があるので、そのうち順番に完成までの道のりを公開してみようかなと思います。